相談会と非弁の間

2009nenga

(↑来年の年賀状を作成中です、牛のかぶりモノを装着したシナモン)

このあいだ相談会を終えてその帰り道、父親(弁護士)と話をしていたら

「いままで行政書士さんっていうのはウチの事務所でよくお願いする社労士と兼業
している人くらいしか知らなかったし、許認可の申請以外は業務についてもよく
知らなかったんだけどこうしておまえと相談会をやるにあたって、いくつか本も
読んでみた。今日、相談会を一通りやってみて思ったのは「相談を聞いて、
その問題を解決する」というのが相談会の目的であるとして、その場所で無料で
助言をしている分には問題はないだろうけど、そこから解決に向けて業務としての
依頼を受けた場合、行政書士の仕事の範囲を超えて、弁護士法違反、非弁行為
になってしまうであろうケースが、真剣にその問題を解決に導こうと思えば思う
ほど多くなるんだろうなあと思ったよ。」と言われた。

「そりゃ遺言状を作りたい。貸した金を取り返すための公正証書を作りたいから、
文書を作成してくれ、といったことであればいいだろうけど、現実として、こうした
ところにわざわざやってくる人の多くは軽いか重いかは別としてなんらかの「紛争」
状態にあことが多いわけや。遺産やったら他の相続人より自分が多くもらいたい、
分割協議が揃わない、公正証書を作ることを相手がイエスと言わない、そんなん
ばっかりや。
「センセイ、解決してください」と持ち込まれた話にたいして真剣に向かいあって
解決しようとしたら、解釈上意見がわかれることもあるけど、非弁行為となって
しまうことが多いやろな。」

「そら、弁護士法が作られた頃の趣旨としては、他の士業との関係ということでは
なく示談屋とかそんなたぐいの人が市民生活に入り込んでくることを防止するため
のもんやったんやろうなと思うで、必ずしも今の現状にマッチしているかどうかは
わからへん。
でもそういう法があり解釈や判例がそういった方向でなされている以上、それを
変えていくという政治活動的なことはともかく、行政書士個人としては、注意に
注意を重ねて相談を聞いたり、その解決に向けてのアドバイスをしたり、あるいは
そこから仕事を依頼されたのならば、業務を遂行していかなくてはあかんで。
おまえが弁護士法違反で捕まったら、ワシも格好悪いで(笑)」

と、そのあたりで家についたので別れた。

それから3日くらいして、少し前に内証証明を書いた相手から電話がかかってきた。
何度も電話してくるので、依頼者の方が私の電話番号を教えたらしかった。
「こちらは依頼者の意思を文書にしているだけで、あなたのお話を聞くことはでき
ないし交渉することもできません。依頼者の方の意思は文書に書いてある通りです。」

というようなことを言って電話を切った。依頼者の男性は高齢だし、あんな口調で電話てこられるのはツライだろうなと思う。かわりに言ってあげたいなと思うけど、それをするのはできないから、依頼者が次にできることを考えてみる。私は「言葉」について考えたり、「言葉」を使って狙った効果を求めるような行為が好きだ。そんな私にとってより相手に届く(効果的である)手紙や内容証明を作成することは天職というと大げさだけどやっていてすごくやりがいのある仕事だ。学生の頃、ラブレターの文面作成みたいなことを何度かやったことがあるけど(^^)、それに近いように思える。最近だとネットオークションで、あまりにもひどい説明文のを落札して、文章を書き直し、写真を撮り直して出品して高く売れた差額を(文章代だ)と喜んでいたりする(古物商とらないとな)

明日にでも依頼者と話をして、彼が何を求めているのをよく理解して、それを
現実として実現するのに最も良い方法(弁護士等に依頼するというのを含めて)を
考え、それが文書作成という形であるのならば、自分なりに相手に最高に届く(効果のある)文書を作ってみようと思う。それが私が行政書士として今回の問題解決にあたる方法かなと考えている。

司法試験あきらめ組としては、(あーもし司法試験に受かってりゃ何かと楽なのに
なあ)と思う時もあるけど、こうやって行政書士として仕事をしていくにつれて、その
制約の中で最大限の効果を発揮するための方法を考えることが楽しいと思える
ようになってきたし、他の行政書士の方からお話をうかがってみる中で、例えば
許認可関係っていうのも、適切な文書を作成する能力に加えて、その行政書士の
人間力みたいなものも必要とされるという意味で職人的な格好いい仕事だし、
学ぶ機会を作って勉強していきたいと考えている。

とここまで書いてたら、今度はまた別件で内容証明が届いた人からメールがきた。
あわててそんな行動を起こさせるだけの効果があったということなのだとしたら
うれしいことである。他士業との業際問題については、酒飲んだ時に議論するネタ
としては楽しいけど、現実としては他士業の人とは連携してお互いを補いあって
やっていこうと思う。

今回の文章は行政書士や他士業以外の方(何か解決したいトラブルがあってこの
ページに来た人)にとってはまったく意味のない内容だと思うので、(トラブルを
抱えた人が訪ねて来た時に、「ここに頼んでみたいな、と思ってもらえる文章、
日記を書く」)という趣旨からは外れてしまっていて、その意味ではダメな文章
ではあるけど、まあたまにはこんなことも書いてみます。